@article{oai:cur-ren.repo.nii.ac.jp:00000896, author = {北島, 葉子 and 高尾, 奈津子 and 橋本, 香織 and 多田, 幹郎 and Kitajima, Yoko and Takao, Natuko and Hashimoto, Kaori and Tada, Mikiro}, journal = {中国学園紀要, Journal of Chugokugakuen}, month = {Jun}, note = {既存添加物調製原材料は,その目的成分が,熱,酸,アルカリ等に対して不安定であるため穏やかな条件で調製される。一方,それらの原材料には多数の微生物が付着している。従って,最終製品への微生物混入が避けがたく,そのため非加熱殺菌法として有用性が認められている放射線殺菌を施すことが望まれる。  また,放射線を照射すると,汚染微生物の低減のみならず,物理的・化学的作用によって,食材の加工適性や物性が改善されることが知られている。  そこで,本研究では既存添加物調製原材料(ベニバナ,エンジ虫)に,放射線(ガンマー線,電子線)を照射して殺菌効果を検証すると共に,エンジ虫に予め放射線を照射して色素抽出効率ならびに色素組成への影響を検討した。  その結果,ガンマー線照射では,ベニバナ,エンジ虫の両試料共,5kGy以上の照射で殺菌が可能であることが確認された。電子線照射では,ベニバナで5kGy以上の線量で殺菌が可能であることを確認した。エンジ虫では5kGy照射では汚染微生物の残存が認められたが,10kGyの線量で照射することにより殺菌が可能であることが確認された。したがって,食品衛生上問題となる病原菌や腐敗菌の殺滅には,5kGyのガンマー線照射が必要であることが明らかとなり,5kGy以上の線量によるガンマー線照射は殺菌効果があると結論づけられた。なお,電子線照射による殺菌効果については更なる検討が必要である。  また,試料への放射線照射によって色素抽出量が増大することが認められた。  コチニール色素を製造基準に準じて色素抽出(75℃)を行った場合,ガンマー線照射試料では,色素抽出量が 24%,37%と増大が認められた。電子線照射試料の場合では,18%,21%と増大した。  続いて,コチニール色素を製造基準に則して色素抽出(85℃)を行った場合,ガンマー線および電子線照射試料共に非照射試料と比べて5kGyで約10%色素抽出量が増大したが,10kGy,30kGyでは低下傾向を示した。  これらの結果から,色素抽出効率に及ぼす温度の効果が顕著であることが明らかとなった。  なお,色素組成への影響については,照射試料からの抽出液の吸収スペクトルのパターンはいずれも非照射試料からの抽出液のスペクトルと同一であり,照射によって色素組成の変化や他の色素分子への影響は無いと推察された。しかし,高線量の照射で色素抽出量が低下した原因として,色素分子が無色の成分にまで分解される可能性も考えられることから,更に検討が必要である。}, pages = {117--122}, title = {既存添加物調製原材料への放射線照射に関する研究 ―殺菌効果・色素抽出効率―}, volume = {11}, year = {2012} }